
RE:MOON ― 月の下で、もう一度踊りだす ―
032.エンタメは、“今ここ”に戻す装置
気づけば、頭の中で過去を何度もやり直していませんか? 「あのとき、こうしていればよかった」 「どうして、あんなことを言ってしまったんだろう」 何度考えても戻れない時間を、何度も何度も巻き戻してしまう。 あるいは、まだ起きていない未来を想像して、 「もし失敗したらどうしよう」 「この先、うまくいかなかったらどうしよう」 見えない未来に心を奪われて、今ここにある時間を味わえなくなることもあります。 私自身も、考えなくてもいいことまで考え続けてしまうことがあります。 頭の中がいっぱいになって、目の前に誰かがいても、きれいな景色を見ていても、心だけが別の場所にいる。 そんなとき、私を“今ここ”へ連れ戻してくれるのが、エンタメです。 踊ること。 音楽に身をゆだねること。 舞台の世界に引き込まれること。 音が鳴った瞬間、身体が動き出す。 照明が変わり、空気が変わり、目の前の世界が少しずつ別のものになっていく。 その瞬間だけは、過去の後悔も、未来への不安も、遠くへ引いていきます。 残るのは、目の前の音。 目の前の動き。 そこから生まれる感情。 思わず笑ってしまう。 胸がいっぱいになって、涙がこぼれる。 気づけば時間を忘れて、ただ夢中になっている。 エンタメに心を動かされているとき、私たちは過去でも未来でもなく、“今この瞬間”を生きています。 考えすぎていた頭が、ほんの少し静かになる。 張りつめていた心が、ゆっくりほどけていく。 そして、「また明日から頑張ろう」と思える。 エンタメには、人を楽しませるだけではなく、過去や未来に置き去りにされていた私たちを、現在へ連れ戻してくれる力があるのではないでしょうか。 それは、人生を大きく変えるような派手な力ではないかもしれません。 でも、苦しい一日の終わりに、もう一度呼吸を取り戻させてくれる。 泣けなかった心を泣かせてくれる。 忘れていた感情を、そっと思い出させてくれる。 そんな小さな変化を生み出せることこそ、エンタメの大きな力だと思います。 今回は、ダンサーとしてエンタメに関わってきた私が感じている、その力についてお話しします。 あなたにも、時間を忘れて夢中になれるものはありますか? 音楽でも、映画でも、舞台でも、ダンスでもいい。 ほんの少しだけ、考えすぎた頭を休ませて、“今この瞬間”を思いきり味わってみてください。 あなたが戻ってこられる場所は、きっとどこかにあります。 Instagram: https://www.instagram.com/re.moon369/  

