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農林業従事者に特化した救急研修プログラム
1.論文のタイトル Farmers, Forestry and First Aid (F3A) and farmers’ preparation for traumatic injury in the field 2.Citation International Journal of Emergency Medicine (2026) 19:211 3.論文内容の要約 農業および林業は、重労働でありながら孤立した環境での作業が多く、機械や家畜、高所作業、有毒ガス(スラリーピット等)など、極めて重大な外傷や死亡リスクに直面している高リスク産業である。しかし、法的規制や安全基準は緩く、従来の応急処置(ファーストエイド)研修も一般的なオフィス等の環境向けに設計されているため、農業現場の固有のハザードや緊急医療アクセスが遅れるへき地での要請に対応できていなかった。 この課題に対処するため、臨床専門家(獣医師、救急医療コンサルタント、元集中治療室看護師で酪農家となった者など)が共同で、農林業従事者に特化した救急研修プログラム「Farmers, Forestry and First Aid(F3A)」を開発した。この研修は、コルブの経験学習サイクルを応用し、5時間のプログラムの中で、実演、議論、そして実際の現場を模した高精度な4大外傷シミュレーション(四肢切断、挟まれ・圧挫、刺創、高所転落)を特徴としている。参加者にはトラウマ救急キット(出血コントロール用具、包帯など)が支給され、実技で実際に使用した後、トラクター等に常備することが推奨される。 本研究では、3年間で実施された32回の研修(総受講者364名)の受講生を対象に、匿名の事後フィードバックアンケートを用いてプログラムの評価を行った。回答のあった344名(回収率94.5%)のデータを解析した結果、受講生の満足度は極めて高く、全体の97%がF3A研修を他者へ推薦すると回答した。自由記述コメントからは、研修が非常に実用的で農業現場の現実に即しており、緊急時における自信(自己効力感)の向上や、法的責任への不安の解消に大きく貢献したことが示された。

